またメインバックとサブバック、2つだけの生活が始まった。
メインバックの重さは16キロ。
仕事のためにノートパソコンが2台必要なのがネックだが、それ以外は必要最低限のものしか入ってない。
新しいものを買って入れるスペースもない。
所有や執着が煩悩を生むと言うけれど、そういうものを捨てると心身ともに身軽になり、自由になった気がする。
ある学者はこんなことを言っていた。
「遊牧民族は物を持つということに何の価値も見出さない。荷物になるからだ。」
というわけで久しぶりの旅。
最初の地は、ケアンズ。
グレート・バリア・リーフにあるミコマス・ケイという無人島。
野鳥の島。
端から端まで歩いて5分ほど。
Snorkeling , Great Barrier Reef
グレート・バリア・リーフは魚もいいけど、何よりサンゴ礁が美しかった。
(でもそのサンゴ礁が特別美しい場所で、バッテリー切れしてしまった。)
ケアンズの町自体には、ビーチがない。浜辺のようなものはあるけど沼のようになっていて、よく見たら「ワニに喰われて死ぬかもしれません」の注意書き。
ケアンズの田舎っぷりには正直驚いてしまった。グレート・バリア・リーフもあって知名度も高いので、ワイキキのようなところを想像してしまっていたのだけれど、実際はハワイの内陸の小さな町程度の規模だった。
どこも実際に行くまでは分からない、としみじみ思った。
グレート・バリア・リーフ以外は行くところがなかったので、平日の仕事が終わった夕方は、散歩したり広場のアボリジニのおばさんと話したりした。
ある日にはクリスチャンの白人に突然話しかけられて、「君は聖書を読んだことがあるか?」と聞かれたことがあった。かなり警戒したが、中学高校で聖書は最初から最後まで読んだと言うと驚かれて、その後意気投合して二、三時間語らったりした。
ケアンズはそんな感じで、のんびり過ごした。
ダイビングをしながら、ゆっくり過ごすところなんだと思う。
さて、ケアンズからは西オーストラリアのエクスマウスというところまで、パース乗り換えで一気に飛んだ。
日本からケアンズまでは7時間だったけど、東北端のケアンズから南西端のパースまで、大陸横断で5時間かかった。
(その後エクスマウスまでさらに3時間のフライト)
オーストラリア。とにかくでかい。
下はパースからエクスマウスまでの飛行機で撮った写真。
ひたすら大自然。
大自然を貫く道路。
エクスマウス近郊は、ひたすら続く平原に、無数のアリ塚が散らばっている。
ここらへんでは船を引っ張ってる車が多い。
釣りやダイビングなどのマリンスポーツが盛んなため。
しかしエクスマウスで一番人気なのは、スノーケリングツアー。何故かというと、野生のジンベエザメに高確率で会える場所が世界に3つあって、ここがそのうちの一つであるため。(ジンベエザメは世界最大の魚。イルカやクジラは哺乳類で、犬に近い動物祖先。)
Ningaloo Reef
グレート・バリア・リーフより魚が多かったっぽい。
そしてついにジンベエザメ発見。
何匹もいて、こいつは小さいの。
大きいの。人と比べると大きさがわかる。
水中に潜った時の独特の無音世界で、巨大なジンベエザメと一緒に泳ぎながら、
神々しい瞬間を感じた。
神々しい瞬間を感じた。
ところで、
オーストラリアの広大さと田舎っぷりには、軽いカルチャーショックを受けた。
特に西オーストラリアは、この後バスで移動したのだけれど、ひたすら何もないところを2、3時間走ってガソリンスタンドがようやく現れ、そこからまた2,3時間何もない、というのが当たり前のようになってる。
前回の世界一周は飛行機なしだったので、陸地はすべてバスか電車だったのだけれど、こんなに何もないところはなかった。
カザフスタンの草原も思い出したけど、ここまでじゃなかった。
実際オーストラリアの人口密度の低さは、記録のある193国中、3位となっている。
2位はアフリカのナミビアで、1位はモンゴル。
でもモンゴルは面積がそれほど大きくないので、実際の体感度は低いだろう。
そして何より、オーストラリアの人口は東海岸に集中しているので、西オーストラリアに限定すれば、人口密度の低さはダントツの1位だと思う。
(オーストラリアの人口約2000万人中、東部にあるシドニーとメルボルンとブリスベンの三大都市だけで、1000万人近く住んでいる。また西オーストラリア州の人口200万人中、100万人以上が州都のパースに住んでいて、さらに残りの100万人のうちのほとんどが、サウスウエストに住んでいると思われる。)
もう一つ特徴的なのは、英語の訛り。
東部にはまだケアンズしか行ってないから分からないけど、西オーストラリアの、さらにノースウエストの奥深い田舎では、もうさっぱり分からない。
もともとの英語レベルが高くないので、聞き取りはかなりキツイ。
ここでは Aをアイと読み、例えば good day はグッダイとなる。(オーストラリアでHelloの代わりによく使われる。)
ei の発音もアイで、eight(8)の発音もアイトになる。
また I はオイに近いらしい。
バスで「タイクァシート アイデー」と言われたらどんな意味だか分かるだろうか?
答えは Take a seat eight D.
つまり 8D の席に座れってこと。
文字で説明するとわかりにくいけど、実際言われるとホント分かりにくい。
でも今は東に移動中でアデレードなのだけれど、段々聞き取りやすくなってきたような気がする。
また近いうち更新します。